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クルアーンの索引

 

52. 山 (アッ・トール) 

章の説明:

本章名は,第1節の山にかけて誓うの語にちなんで名付けられる。マッカ時代の最初期の啓示である。ムーサーはシナイ山上で啓示を受け,聖預言者ムハンマドは,マッカのヒラー山腹の洞窟で最初の啓示を受けた。この類似が以下の緒節の教えに及ぶ。元来啓示は,古い時代の諸啓示をも含め,アッラーの種々の印と一致するものであり,現世のみならず来世についての教えでもあるから,それに対し用意しなければならないことが,本章においても強調される。


慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。

1. かの(啓示の)山にかけて(誓う)。

2. 整然と書き記された啓典にかけて,

3. 巻かれていない羊皮紙に,

4. 不断に詣でられる聖殿にかけて,

5. 高く掲げられた天蓋にかけて,

6. 漲り(温?)れる大洋にかけて(誓う)。

7. 本当に主の懲罰は必ず下る。

8. それは避け得ない。

9. その日,天は大いにゆらゆらと揺れ,

10. また山々は揺ぎ動くであろう。

11. その日,(真理を)虚偽であるとした者に災いあれ。

12. 虚しい事に戯れていた者たちに。

13. かれらが(もの凄い力で)地獄の火の中に突き落されるその日,

14. (こう言われよう。)「これこそは,あなたがたが虚偽であるとしていた地獄の業火である。

15. これでも魔術なのか。それともあなたがたは,見えないのか。

16. あなたがたはそこで焼かれるがいい。あなたがたがそれを耐え忍んでも,忍ばなくても同じこと。あなたがたが行ったことに,報いられるだッである。」

17. 主を畏れた者たちは必ず楽園の歓びの中に置り,

18. 主がかれらに与えるものに歓喜し,また主が獄火の懲罰からかれらを救われたことを喜ぶ。

19. (かれらには言われよう。)「楽しんで食べ,且つ飲め。これもあなたがたの(善い)行いのためである」。

20. かれらは並べられたソファーに寄りかかり,われは美しい目の乙女たちをかれらの配偶者にするであろう。

21. 信仰する者たち,またかれらに従った信心深い子孫の者たち,われは,それらの者を(楽園において)一緒にする。かれらの凡ての行為に対し,少しも(報奨を)軽減しないであろう。誰もがその稼ぎにたいし,報酬を受ける。

22. またわれは果物,肉,その外かれらの望むものを与えよう。

23. かれらはそこで互いに杯を交そう。その時にも虚しい話にふけることなく,乱暴も犯さない。

24. かれらの周には,秘められた真珠のような子供が傅いて巡る。

25. かれらは互いに近寄って,尋ね合い,

26. 言っていた。「以前,わたしたちは家族の間にいてもいつも気を遺っていた。

27. だがアッラーは,わたしたちに御恵みを与えられ,熱風の懲罰から御救い下された。

28. 以前からわたしたちは,かれに祈っていたのです。本当にかれは恵み厚く,慈悲深き御方であられる」

29. さあ,かれらに訓戒しなさい。主の恩恵によって,あなたは占い師でも気違いでもない。

30. またかれらは,「只の詩人だ。かれの運勢が逆転するのを待とう」と言う。

31. 言ってやるがいい。「待っているがいい。わたしもあなたがたと共に待っていよう。」

32. 一体かれらの貧しい理解力がこう命じたのか,それともかれらは法外な民なのか。

33. または,「かれ(ムハンマド)がこれを偽作したのである。」と言うのか。いや,かれらは信じてはいないのである。

34. もしかれらの言葉が真実なら,これと同じ御告げをもってこさせるがよい。

35. かれらは無から創られたのではないか。それともかれら自身が創造者なのか。

36. それともかれらが,天と地を創造したのか。いや,かれらにはしっかりした信仰がないのである。

37. それともかれらは,あなたの主の様々な宝物を持っているのか。または(事物の)管理者なのか。

38. それともかれらには梯子があって,それで(天に登り,その秘密を)聞くことが出来るのか。それなら聞いたという者に,明確な証拠を持って来させるがよい。

39. それともあなたがたには息子があって,かれには娘がある(だけ)というのか。

40. それともあなたが,かれらに報酬を求め,それでかれらは負債の重荷を負っているというのか。

41. それとも幽玄界のことがすっかり分っていて,それを書き留めているというのか。

42. それとも(あなたに対して)策を巡らす積もりか。だが背信者たちこそ,策謀にかかるであろう。

43. それともかれらは,アッラー以外に神があるというのか。アッラーに讃えあれ,かれは配するもの(邪神)の上にいと高くおられる。

44. 仮令天の一角が(かれらの上に)落ちるのを見ても,かれらは,「積み重なった雲です。」と言うであろう。

45. かれらは,(恐れのために)そこに昏倒する(審判の)日に会うまで,放って置け。

46. その日かれらの策謀は,何の益もなく,結局かれらは助けられないであろう。

47. 本当に不義な行いの者には,この外にも懲罰がある。だが,かれらの多くは気付かない。

48. それで主の裁きを耐え忍んで待て。本当にわれはあなたがたを見守っている。そしてあなたが立ち上がる時は,主を讃えなさい。

49. 夜中に,また星々が退く時にも,かれを讃えなさい。

 

 

 

クルアーンの索引

日本ムスリム情報事務所, 1998-2003.