章の説明: 本章名は,9節に金曜日の合同礼拝について記されるにちなみ名付けられる。とジュラ2年から4年ころの啓示とされる。元来啓示の精随は,すべての人間のためのものであるから,自分を清め英知を体得し,信仰を練り理解を深めるためには,イスラーム共同体の中で互いに接触を保つよう説かれる。 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。 1. 天にあり地にある凡てのものは,アッラーを讃える。(かれは)至高の王者,神聖にして偉力ならびなく英明であられる。 2. かれこそは文盲の者の間に,かれらの中から使徒を遺わし,印を読み聞かせてかれらを清め,啓典と英知を教えられた方である。本当にかれらは,以前は明らかに邪道にあった。 3. まだ来ていない(預盲者以降の)人びとにも教えを授けられる。かれは偉力ならびなく英明であられる。 4. これがアッラーの恩恵である。かれの御心に適う者にこれを与える。アッラーは偉大な恩恵の主であられる。 5. 律法(守護)の責任を負わされて,その後それを果たさない者を譬えれば,書物を運ぶロバのようなものである。アッラーの印を嘘であるとする者も同様で,哀れむべきである。本当にアッラーは悪い行いの者を御導きになられない。 6. 言ってやるがいい。「ユダヤ教を信奉する者よ,あなたがたがもし外の人びと以上に,アッラーの御気に入りであると言いはり,それがあくまでも真実であると確心するならば(天国に入れるはずだから今すぐ)死を請い願いなさい。」 7. だがかれらは,その手で今まで犯した(行いの)ため,決して死を請い願わないであろう。本当にアッラーは不義を行う者を熟知なされる。 8. 言ってやるがいい。「あなたがたが逃れようとする死は,必ずあなたがたを襲うのである。それから幽玄界と現象界を知っておられる御方に送り返され,かれはあなたがたに自分の所業を告げ知らせる。」 9. あなたがた信仰する者よ,合同礼拝の日の礼拝の呼びかけが唱えられたならば,アッラーを念じることに急ぎ,商売から離れなさい。もしあなたがたが分っているならば,それがあなたがたのために最も善い。 10. 礼拝が終ったならば,あなたがたは方々に散り,アッラーの恩恵を求めて,アッラーを讃えて多く唱念しなさい。必ずあなたがたは栄えるであろう。 11. しかしかれらは,うまい儲けや遊びごとを見かけると,(礼拝のために)立ち上っているあなたを等閑にして,そちらに駆け出す始末。言ってやるがいい。「アッラーの御許(の恩恵)は,遊戯や取引よりも優る。アッラーは,最善の給与者であられる」。
日本ムスリム情報事務所, 1998-2003. | ||||||||||||||||||||