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クルアーンの索引

 

68. 筆 (アル・カラム) 

章の説明:

本章名は,1節の筆において誓うとの語にちなみ名付けられる。マッカ初期の啓示である。本章は一般に,最初の啓示96の凝血章に次いで,本章が啓示されたものといわれている。いつの世でも不信者は,真理を虚偽であるとし,英知を狂気とするのがつねであるから,アッラーは使徒ムハンマドに入びとに正義を行わせ,苦難が下る前にアッラーを念じさせるよう教えられる。


慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。

1. ヌーン。筆に誓けて,また書いたものにおいて誓う。

2. 主の恩恵において,あなたは気違いではない。

3. いや,本当にあなたには,尽きない報奨があろう。

4. 本当にあなたは,崇高な徳性を備えている。

5. やがてあなたは見よう,かれらもまた見るであろう。

6. あなたがたの誰が気違いであるかを。

7. 本当にあなたの主は,道から迷い去った者を,最もよく知っておられ,また導かれている者を最もよく知り尽される方である。

8. それであなたは(真理を)否認する者に従ってはならない。

9. かれらの願いは,あなたが歩み寄ることで,そうなればかれらも妥協したいのである。

10. あなたは,卑劣な誓いをたてるどんな者にも屈従してはならない。

11. 中傷し,悪口を言い歩く者,

12. 善事を妨げ,掟に背く罪深い者,

13. 乱暴(残虐)な者,その外素性の卑しい者,

14. 富と(多くの)子女を持っているために(そうである,これらの者に従ってはならない)。

15. かれにわが印が読唱されると,「それは昔の物語です。」と言、。

16. やがてわれは,鼻の上に焼印を押すであろう。

17. 本当にわれは,(果樹)園の持ち主を試みたように,かれらを試みた。かれらが,早朝にそれ(果物)を収穫することを誓った時に,

18. (アッラーの御望みならば)と,条件を付けることをしなかった。

19. それでかれらが眠っている間に,あなたの主からの天罰がそれを襲った。

20. それで朝には,それは摘み取られたようになった。

21. 早朝かれらは互いに叫んだ。

22. 「もし収穫するのならあなたがたの畑に急ぎましょう。」

23. そこでかれらは低声に囁き合って出かけた。

24. 「今日は一人の貧乏人も,あの(果樹園)に入らせてはなりません。」

25. かれらは強く心に決めて,朝早く出て行った。

26. だがかれらがそれを見た時,言った。「わたしたちは,道を間違えている。

27. いや,わたしたちは(収穫物を)奪われた。」

28. かれらの中,すこし穏やかな一人が言った。「あなたがたはどうして(主を)讃えないのかと,わたしが言ったのに。」

29. かれらは,「わたしたちの主を讃える。本当にわたしたちは不義でありました。」と言った。

30. そこでかれらは,互いに責め合い始めた。

31. かれらは言った。「ああ悲しい,わたしたちは本当に横柄でした。

32. 主はこれに代る,更に良い(果樹園)を与えられるかもしれない。本当にわたしたちは,(悔悟して)主に嘆願します。」

33. このようなものが,(現世の)懲罰である。だが来世の懲罰は更に大きなものである。もしかれらに分っていたならば。

34. 本当にアッラーを畏れる者に対しては,主の御許に喜こびの楽園があろう。

35. われは信心深い者たちを,罪人のように扱うとでもいうのか。

36. あなたがたはどうしたのか。あなたがたはどう判断するのか。

37. それともあなたがたには,学ぶに足りる啓典があるのか。

38. あなたがたが選ぶものは,何でもその啓典の中にあるのか。

39. それともあなたがたは,審判の日まで有効な誓約をわれと結んだのか。あなたがたが思慮分別することは,確かにあなたがたのものになるのか。

40. (ムハンマドよ)かれらに問え。「かれらの誰がそれを保証するのですか。」

41. または,かれらは(主に)配するものがあるのか。かれらが正しいのなら,その配するものを連れて来させなさい。

42. 脛が,現わにされる日(を思いなさい)。かれらはサジダするよう求められる。だがかれらには出来ないであろう。

43. かれらは目を伏せ,屈辱を被るであろう。サジダするよう,確かにかれらは呼びかけられていた。その時五体満足なのに(拒否した)。

44. そこでこの御言葉(クルアーン)を虚偽であるとする者をわれに任せよ。われはかれらが気付かない方面から,一歩一々(堕落に)導き,

45. かれらを猶予するであろう。本当にわれの計略は強く確かである。

46. それともあなたがかれらに報酬を求め,それでかれらは負担を課せられたのか。

47. また幽玄界がかれらの手元にあり,それでかれらは(それを)書き下すことが出来るのか。

48. だから忍耐して,あなたの主の命令を待て。魚の友のようであってはならない。苦しさの余り(かれが)叫んだ時(のように)。

49. 主からの恩恵がかれに達しなかったならば,かれは罪を負わされ,不面目に不毛の地に捨てられたであろう。

50. このように主は,かれを選び正義の徒の一人となされた。

51. 不信心者は警告を聞く時,その(物凄い)目付きで,あなたを凡んど倒れんばかりにする。かれらは言う。「本当にかれは憑かれた者です。」

52. だが,この(クルアーン)こそは,万有のための訓戒に外ならない。

 

 

クルアーンの索引

日本ムスリム情報事務所, 1998-2003.