章の説明: 本章名は,1節の語にちなみ名付けられる。マッカ中期の初めころの啓示であある。真理は破れることなく,必ず勝利を収める。それで現世の生活において,外見の偽りに惑わされてはならないことが,来世に関する論議により教えられる。 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。 1. 確かな真実, 2. 確かな真実とは何か。 3. 確かな真実が何であるかを,あなたに理解させるものは何か。 4. サムードとアード(の民)は,突然来る災厄を虚偽であるとした。 5. それでサムードは雷雲の嵐によって滅ぼされた。 6. またアードは,唸り狂う風によって滅ぼされた。 7. 7夜8日にわたり,かれらに対し絶え間なく(嵐が)襲い,それで朽ちたナツメヤシの木のように,(凡ての)民がそこに倒れているのを,あなたは見たであろう。 8. それであなたは,かれらの中,誰か残っている者を見るのか。 9. またフィルアウンやかれ以前の者や滅ぼされた諸都市(の民)も,罪を犯していた。 10. かれらは主の使徒に従わないので,かれは猛烈な懲罰でかれらを処罰した。 11. 大水のとき,われが方舟であなたがたを連んだのは, 12. それをあなたがたへの数訓とさせ,注意深い耳がそれを(聞いて)記憶に留めるためである。 13. それでラッパが一吹き吹かれた時, 14. 大地や山々は持ち上げられ,一撃で粉々に砕かれ, 15. その日(一大)事件が起る。 16. また大空は千々に裂ける。天が脆く弱い日であろう。 17. 天使たちは,その(天の)端々におり,その日,8人(の天使)がかれらの上に,あなたの主の玉座を担うてあろう。 18. その日あなたがたは(審判のため)みな(剥?)き出しにされ何一つとして隠しおおせないであろう。 19. それで右手にその(行状)記を渡される者は言う。「ここに(来て),あなたがたはわたしの(行状)記を読め。」 20. 「いずれわたし(信者)の清算(審判)に合うことが,本当に分っていた。」 21. こうしてかれは至福な生活に浸り, 22. 高い(丘の)園の中で, 23. 様々な果実が手近にある。 24. 「あなたがたは,過ぎ去った日(現世)で行った(善行の)ために,満悦して食べ,且つ飲め。」(と言われよう)。 25. だが左手にその(行状)記を渡される者は言う。「ああ,わたしの(行状)記が渡さオになかったならば」 26. 「わたしは自分の清算が,どんなものであるかを知らなかった。」 27. ああ,その(死)が(わたしの)終末であったならば, 28. 富は,わたしに役立たなかった。 29. 「権威は,わたしから消え失せてしまった。」 30. (だが厳命が下ろう。)「かれを捕えて,縛れ。」 31. それから燃え盛る火で,かれを焼け。 32. 更に70腕尺の長さの鎖で,かれを巻け。 33. 本当にかれは,偉大なるアッラーを信じず, 34. また貧者を養うことを勧めなかった。 35. それでこの日かれは,そこに友は無く, 36. また,穢しい腐敗物の外に食物はない, 37. 「それを食べるのは,罪人だけである。」 38. われは,あなたがたが見得るものにおいて誓い, 39. またあなたがたが見得ないものにおいて誓う。 40. 本当にこれは,尊貴な使徒の言葉である。 41. これは詩人の言葉ではない。だがあなたがたは,ほとんど信じない。 42. また,占い師の言葉でもない。しかしあなたがたはほとんど気にもしない。 43. (これは)万有の主から下された啓示である。 44. もしかれ(使徒)が,われに関して何らかの言葉を捏造するならば, 45. われはきっとかれの右手を捕え, 46. かれの頸動脈を必ず切るであろう 47. あなたがたの中,誰一人,かれを守ってやれないのである。 48. 本当にこれは,主を畏れる者への訓戒である。 49. われはあなたがたの中,(それを)拒否する者を知る。 50. 本当にこの(クルアーン)は,不信者にとっては悲しみ(の種)であろう。 51. だがそれは,本当に確固たる不動の真理である。 52. だから至大なる御方,あなたの主の御名を讃えなさい。
日本ムスリム情報事務所, 1998-2003. | ||||||||||||||||||||