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クルアーンの索引

 

74. 包る者 (アル・ムッダッスィル) 

章の説明:

本章名に,1節の語にちなみ名付けられる。前章同様サラート(礼拝)とズィクル(唱念)の重要性, また精神的緊張のさいには忍耐が大切であることが教えられる。前章では,預言者自身の完成につき説かれた。だが本章では一般の者の先成のための警告に重点が置かれる。


慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。

1. (大衣に)包る者よ,

2. 立ち上って警告しなさい。

3. あなたの主を讃えなさい。

4. またあなたの衣を清潔に保ちなさい。

5. 不浄を避けなさい。

6. 見返りを期待して施してはならない。

7. あなたの主の(道の)ために,耐え忍びなさい。

8. ラッパが吹かれる時,

9. その日は苦難の日。

10. 不信者たちにとり,安らぎのない(日である)。

11. われが創った者を,われ一人に任せなさい。

12. われは,かれに豊かな富を授け,

13. またその回りに,息子たちを侍らせ,

14. かれのために,(物事を)円満容易にした。

15. それでもかれは,われが更に豊かにするよう欲した。

16. 断じて許されない。かれは,わが印に対し頑迷であった。

17. やがてわれは,酪い痛苦でかれを悩ますであろう。

18. かれは想を練り,策謀した。

19. かれは滅びるであろう。何と(惑意をもって)かれらは策謀したことよ。

20. 重ねていう。かれは滅びるであろう。何とかれは策謀したことよ。

21. その時,かれはちらっと(クルアーンを)眺め,

22. 眉をひそめ,苦い顔をして,

23. それから,高慢に背を向けて去った。

24. かれは言った。「これは昔からの魔術に過ぎません。

25. どうみても人間の言葉に過ぎません。」

26. やがてわれは地獄の火て,かれを焼くであろう。

27. 地獄の火が何であるかを,あなたに理解させるものは何か。

28. それは何ものも免れさせず,また何ものも残さない。

29. 人の皮膚を,黒く焦がす。

30. その上には19(の天使が看守る)。

31. われが業火の看守として,天使たちの外に誰も命じなかった。またかれらの数を限定したことは,不信心の者たちに対する一つの試みに過ぎない。(それにより)啓典を授けられた者たちを確信させ,また信じる者の信仰を深めるためである。また啓典を授けられた者や信者たちが,疑いを残さず,またその心に病の宿る者や,不信者たちに,「アッラーはこの比喩で,何を御望みになるのでしょうか。」と言わせるためである。このようにアッラーは,御自分の望みの者を迷わせ,また望みの者を導かれる。そしてかれの外誰もあなたの主の軍勢を知らないのである。本当にこれは人間に対する訓戒に外ならない。

32. いや,月に誓けて,

33. 退こうとする,夜に誓けて,

34. また輝こうとする,暁に誓けて(誓う)。

35. それは大きな(徴の)一つであり,

36. 人間への警告。

37. あなたがたの中,前に進むことを望む者,また後に残ることを願う者への(警告である)。

38. それぞれの魂は,その行ったことに対し,(アッラーに)担保を提供している。

39. 右手の仲間は別である。

40. (かれらは)楽園の中にいて,互いに尋ね合うであろう。

41. 罪を犯した者たちに就いて,

42. 「何が,あなたがたを烈火の中に導いたのですか。」と。

43. かれらは(答えて)言う。「わたしたちは礼拝を捧げていませんでした。

44. わたしたちはまた,貧者を養いませんでした。

45. わたしたちは空論の徒と共に無駄話に耽り,

46. 常に審判の日を否定していました。

47. 遂に真実が,わたしたちに到来しました。」

48. それで執り成す者の執り成しも,かれらに役立たないであろう。

49. 一体訓戒から背き去るとは,かれらはどうしたのであろう。

50. かれらは丁度獅子を見て恐怖に陥ったロバのように,

51. 一目散に逃げ出すかのようであった。

52. いや,かれらはそれぞれ開かれた書巻が授けられることを望んでいる。

53. いや断してそうではない。かれらは来世を恐れていないのである。

54. いや,これは正に訓戒である。

55. だから誰でも欲する者には,それを肝に銘じさせなさい。

56. だが,アッラーが望まれる者の外は,留意しないであろう。かれは畏るべき御方よく許して下される御方である。

 

 

クルアーンの索引

日本ムスリム情報事務所, 1998-2003.