章の説明: 本章名は,第1節の語にちなみ名付けられ,75章に近いころのマッカ初期の啓示である。その内容も,ややそれと似かよっていて,真理を拒んだ者の来世での恐怖が記される。「(真理を)拒んだ者にとり,その日こそ哀れである」の訓戒の句が,本章の中で,10節にわたり繰り返えされている。 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。 1. 次々に送られる風において。 2. 猛威を振う風において。 3. 雨を(西?)す風において。 4. 真理と虚偽を区別する(クルアーンの)啓示において。 5. 啓示を預言者たちに伝える天使たちにおいて(誓う)。 6. アッラーからの御諭しと警告として(伝えている)。 7. (マッカの背信者よ。)あなたがたに約束されたこと(復活の日と懲罰)が確かに起る。 8. 諸星が消される時, 9. 天が裂け散る時, 10. 山々が塵のように運び去られる時, 11. 使徒たちが定められた時に召集される時, 12. (それらは)いつの日まで猶予されたのか。 13. 裁きの日までである。 14. 裁きの日が何であるかを,あなたに理解させるものは何か。 15. (真理を)嘘であると言って来た者たちにとり,その日こそ哀れである。 16. われは(悪行のために)前代の者を滅ぼさなかったか。 17. その後われは,後代の者にかれらを継がせたではないか。 18. このようにわれは罪のある者たちを処分する。 19. (真理を)嘘であると言って来た者たちにとり,その日こそ哀れである。 20. われはあなたがたを卑しい水から創ったではないか。 21. われはそれを,安泰な休み所(子宮)に置いた, 22. 定められた時期まで。 23. われはそう定めた。わが決定の何と善いことよ。 24. (真理を)嘘であると言って来た者たちにとり,その日こそ哀れである。 25. われは,大地を大きな容器としなかったか, 26. 生存者と死者(双方のために)。 27. その上に山々を高く聳えさせ,また清鮮な水をあなたがたに飲ませたではないか。 28. (真理を)嘘であると言って来た者たちにとり,その日こそ哀れである。 29. (仰せられよう。)「赴け,あなたがたが嘘であると言って来た所(地獄)ヘ。 30. 赴け,あなたがた3っの枝(に立ち登る煙)の陰に。」 31. それは影にもならず,また燃え盛る炎に対しては役に立たないであろう。 32. それは(巨大な)砦のような炎を吐き, 33. 丁度(狂奔する)黄褐色のラクダのよう。 34. (真理を)嘘であると言って来た者たちにとり,その日こそ哀れである。 35. それは,発言することが出来ない日であり, 36. また申し開きも,かれらに許されないであろう。 37. (真理を)嘘であると言って来た者たちにとり,その日こそ哀れである。 38. それは裁きの日であり,われはあなたがたも(あなたがた)以前の者たちも,一緒に集める。 39. あなたがたに何か術策があるのなら,われに向かって策謀するがいい。 40. (真理を)嘘であると言って来た者たちにとり,その日こそ哀れである。 41. 主を畏れる者は,本当に(涼しい)影と泉の間にいるだろう。 42. かれらが欲する,凡ての果実(を得る)。 43. 「心の底から満足して食べ且つ飲め,あなたがた(の善い)行いをしたことに対して。」(とわれは言おう。) 44. このようにわれは,善い行いの者たちに報いる。 45. (真理を)嘘であると言って来た者たちにとり,その日こそ哀れである。 46. (あなたがた不義の者よ。)「しばしの間食べ且つ享楽するがいい。本当にあなたがたは罪深い者である。」 47. (真理を)嘘であると言って来た者たちにとり,その日こそ哀れである。 48. かれらは,「立礼〔ルクーウ〕せよ。」と言われても立礼しない。 49. (真理を)嘘であると言ってきた者たちにとり,その日こそ哀れである。 50. この(クルアーン)を差し置いて,どんな教えをかれらは信じようとするのか。
日本ムスリム情報事務所, 1998-2003. | ||||||||||||||||||||