章の説明: 本章は,第2節にある語にちなみ消息章と名付けられる。前章と同じくマッカの初期の,76章に近いころの啓示とされる。悪が克服されて,自ら善に向かう場合は,善性に移行することに対する,アッラーの愛護は格別こまやかなことがいわれる。それでその意志のある者は,主の御加護を請い願うよう教えられる。 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。 1. 何事に就いて, かれらは尋ね合うのか。 2. 偉大な消息に就いて。 3. それに就いて,かれらは意見が果なる。 4. いや,かれらはやがて知ろう. 5. いや,いや,かれらはやがて知るであろう。 6. われは大地を,広々としなかったか。 7. また山々を,杭としたてはないか。 8. われはあなたがたを両性に創り, 9. また休息のため,あなたがたの睡眠を定め, 10. 夜を覆いとし, 11. 昼を生計の手段として定めた。 12. またわれは,あなたがたの上に堅固に7層(の天)を打ち建て, 13. 輝やかしい灯し火を(その中に)字置き, 14. われは雲から豊かに雨を降らせ, 15. それによって,殻物や野菜を萠え出させ, 16. 様々な園を茂らせる。 17. 本当に裁きの日は定められていて, 18. その日,ラッパが吹かれるとあなたがたは群をなして出て来る。 19. 天は開かれて数々の門となり, 20. 山々は移されて蜃気楼のようになる。 21. 本当に地獄は,待ち伏せの場であり, 22. 背信者の落ち着く所, 23. かれらは何時までもその中に住むであろう。 24. そこで涼しさも味わえず,(どんな)飲物もない, 25. 煮えたぎる湯と膿の外には。 26. (かれらのため)相応しい報奨である。 27. 本当にかれらは,(その行いに対する)清算を希望しないでいた。 28. またかれらはわが印を嘘であると言って,強く拒否した。 29. われは一切のことを,天の書に留めている。 30. だからあなたがたは(自分の行いの結果を)味わえ。われは懲罰を増加するばかりである。 31. 本当に主を畏れる者には,安全な場所(楽園)がある。 32. 緑の園や,ブドウ園, 33. 胸の脹れた同じ年頃の乙女たち, 34. またなみなみと(溢?)れる杯。 35. そこではつまらぬ話や偽り言を聞かない。 36. これらはあなたの主からの報奨,賜物の決算である。 37. 天と地,そしてその間の凡てのものの主,慈悲深き御方(からの賜物であり),誰もかれに語りかけることは出来ない。 38. 聖霊と天使たちが,整列して立つ日,慈悲深き御方から御許しを得て正しいことを言う者以外には,誰も口をきくことが出来ない。 39. それは真実の日である。だから誰でも望む者は,主の御許に戻るがいい。 40. 本当にわれは,懲罰が近いと,あなたがたに警告した。その日,人は,自分の両方の手が前もって行ったもの(所業)を見るであろう。不信者は,「ああ,情けない,わたしが塵であったならば。」と言うであろう。
日本ムスリム情報事務所, 1998-2003. | ||||||||||||||||||||