章の説明: 本章名は,第1節にある語にちなみ名付けられる。前章と同じころのマッカ初期の啓示である。審判が神秘的に叙述され,奉仕によって,啓示の実を成就することにつき預言される。 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。 1. 荒々しく(罪深い者の魂を)引き離すものだおいて(誓う), 2. 優しく(信仰深い者の魂を)引き出すものにおいて, 3. 泳ぐように(慈悲の使いに)滑走するものにおいて, 4. 先を争って前進するものにおいて, 5. (主の命令で)事を処理するものにおいて(誓う)。 6. その日(第一のラッパで),震動が(凡てのものを)揺がし, 7. 次のラッパ(で震動)が,続く。 8. (不信者の)心は,その日戦き震え, 9. 目を伏せるであろう。 10. かれらは言う。「わたしたちは初め(生前)の状態に,本当に返るのでしょうか。 11. 何と,わたしたちは朽ち果てた骨になってしまったのに。」 12. かれらは言う。「その場合(復活),損な戻りです。」 13. (復活は),只一声の叫びである。 14. 見よ,かれらは目覚めて(地上に)現われる。 15. ムーサーの物語が,あなたに届いたか。 16. 主がトワーの聖谷に,かれを呼ばれた時を思い起せ。 17. (かれは仰せられた。)「あなたはフィルアウンの許に行け。本当にかれは目にあまる者である。 18. そしてかれに言ってやるがいい。『あなたは(罪から)清゚られたいのか。 19. わたしはあなたを,主の御許に導く。あなたは(かれを)畏れなさい。』」 20. (ムーサーは)偉大な印をかれに示した。 21. だがかれ(フィルアウン)はそれを嘘であるとし,(導きに)従わなかった。 22. 背を向けて急いで去った。 23. かれ(フィルアウン)は,(その民を)集め宣言して, 24. 言った。「わたしはあなたがたの主,至高者である。」 25. そこでアッラーはかれを懲しめ,来世と現世の生活に懲罰を加えられた。 26. 本当にこの中には(主を)畏れる者への一つの教訓がある。 27. あなたがたは(かれが)うち建てられた天(の創造)が,あなたがたを創ることより難しいとでも思うのか。 28. かれはそれを高く掲げ,それから整え, 29. 夜を暗くなされ,また,光明を現わされる。 30. その後,大地を延べ広げられた。 31. そこから水と牧場を現われさせ, 32. また山々をそれにしっかりと据えられ, 33. あなたがたとあなたがたの家畜のための,用益に供される。 34. それで大きい災厄が来ると, 35. その日,人々は(現世で)その努力したことを思い出し, 36. また獄火は,誰でも見る(程の)者に(ありありと)現わされる。 37. その時,酷く目にあまった者, 38. またこの世の生活を重んじていた者は, 39. 本当に火獄がその住まいであろう。 40. だが主の御前に立つことを恐れた者,また低劣な欲望に対し(自分の)魂を抑制した者は, 41. 本当に楽園がその住まいであろう。 42. かれらはその時に就いて,あなたに問う。「それが到来するのは,何時(の日)ですか。」 43. あなたは,何によってそれを告げられようか。 44. その終末(の知識)は,あなたの主にあるだけ。 45. あなたは,それを恐れる者への,一人の警告者に過ぎない。 46. かれらがそれを見る日,(墓の中に)滞留していたのは,一夕か一朝に過ぎなかったように思うであろう。
日本ムスリム情報事務所, 1998-2003. | ||||||||||||||||||||