章の説明: 本章は,第1節の冒頭の語にちなみ,圧倒的事態章と名付けられる。マッカ初期の終り,開教第4年頃の啓示である。来世における真の清算が決定される日の,善と悪との運命が,対照的に記される。アッラーの種々のしろしは現世においても,清算の日をわれわれに気付かせる,それはアッラーが,至善,公正であられ,創造は至当な目的のためのものであるためである。 慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。 1. 圧倒的(事態の)消息が,あなたに達したか。 2. (或る者の)顔はその日項垂れ, 3. 骨折り疲れ切って, 4. 燃えさかる獄火で焼かれ, 5. 煮えたぎる泉水を飲まされる。 6. かれらには苦い茨の外に,食物はなく, 7. それは栄養にもならず,飢えも癒せない。 8. (外の或る者たちの)顔は,その日歓喜し, 9. かれらは努力して心充ち足り, 10. 高い楽園の中に置り, 11. そこで,虚しい(言葉)を聞かない。 12. そこには,流れる泉があり, 13. 高く上げられた(位階の)寝床があり, 14. 大杯が備えられ, 15. 褥は数列に並べられ, 16. 敷物が敷きつめられている。 17. かれらは骼駝に就いて,如何に創られたかを考えてみないのか。 18. また天に就いて,如何に高く掲げられたか, 19. また山々に就いて,如何に据え付けられているか, 20. また大地に就いて,如何に広げられているかを。 21. だからあなたは訓戒しなさい。本当にあなたは一人の訓戒者に外ならない。 22. かれらのための,支配者ではない。 23. だが誰でも,背き去って信仰を拒否するならば, 24. アッラーは最大の懲罰でかれらを罰される。 25. 本当にわれの許に,かれらは婦り来るのである。 26. かれらの清算は,本当にわれの任である。
日本ムスリム情報事務所, 1998-2003. | ||||||||||||||||||||